見落とされがちな「後足部」のゆがみとの関係
外反母趾というと、「親指(母趾)が外側に曲がる変形」として知られています。
そのため、つい“親指の形”や“足の前側”ばかりに注目してしまいがちです。
でも実は――
外反母趾の本当の原因が、後ろ側の「後足部(かかと周り)」にあること、ご存じでしょうか?
そもそも「後足部」とは?
足は大きく3つに分けられます。
- 前足部(親指・小指などのつま先側)
- 中足部(足のアーチ周辺)
- 後足部(かかとや距骨周辺)
外反母趾と聞くと、つま先側の変形に目が行きますが、
実はその土台である「かかと」=後足部のゆがみが、前足部に大きな影響を与えているんです。
後足部がゆがむと、足全体が崩れる
本来、かかと(踵骨)は真っすぐ立って体を支えています。
しかし、日常の癖や筋力バランスの崩れによってかかとが内側に倒れる(過回内)と、足全体が内側に崩れてしまいます。
その結果…
- 足のアーチがつぶれる
- 体重が内側に偏る
- 母趾の根元に強いストレスがかかる
- 親指が「くの字」に曲がってしまう
こうした流れで、外反母趾の変形が進行してしまうのです。
後足部を整えることが根本改善のカギ!
外反母趾の治療といえば、「テーピング」「足指の運動」「靴の見直し」などがよく知られています。
でも、それだけでは足の“土台”である後足部の崩れにはアプローチできません。
当院では、外反母趾を「足全体の機能障害」と捉え、
後足部からのアライメント調整(整えること)を重視しています。
- 距骨や踵骨の傾きを整える
- ニュートラルポジションに誘導する
- 足底圧や荷重バランスの変化を確認する
そうすることで、親指の角度そのものではなく、
外反母趾の“原因の地盤”に直接アプローチできるのです。
まとめ:親指だけ見ていても、治らない
外反母趾の改善は、見えている“親指”だけを治そうとしても限界があります。
本当に見るべきは、後足部=かかと周りの安定性です。
「どこに行っても良くならなかった…」
「テーピングしてもすぐ戻ってしまう…」
そんな方こそ、ぜひ一度「後足部の評価」から始めてみてください。